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外国人向けに書道体験させるときメモ

何度か大学で外国人向けに書道を教える機会があったので役に立ちそうなことをメモしておく。

教室の状況

9月入学で10月から授業を取り始めた主に外国人留学生を主体とするクラス。講義は英語で行われる。 日本人学生も聴講可能であるが、似たテーマで日本語で行われるクラスもあるので日本人学生の数は少ない(1クラス約25人中3-4人程度)

お話ネタ

単に書道体験というだけではなく日本の書道について少し喋った。

ひらがなについて

外国人でもひらがなくらいは一応しってるかなーくらいの気持ちで興味を持ってもらえるんじゃないかと思ってテーマとして選定した。

  • ひらがなは日本独自の文字であること
  • 学生たちの多くは日本語の授業をとっており、講義の段階である程度ひらがなは読める状態
  • とりあえず普通のひらがなを読ませてみる
    • 割とすんなりと読んでくれた(読めないケースもあると思うので対応を変える必要がある)
    • 「君の名は」で出てきた「たそかれと われのな問ひそ・・・」を読ませてみたが多分なんのネタかわかった人はいなかったかもしれない
      • ひらがなを写したスライドの背景は彗星のイラストにした
  • 変体仮名で書かれた蕎麦屋の暖簾(「きそば」と書かれたもの)を移してみる
    • これもひらがなですよ、よめる?ときいてみる
    • 当然日本人学生も含めて誰も読めない(筆文字だが「き」だけは辛うじでよめる)
    • そ(楚)、は(者) と読むことを伝えるとみんな混乱して教室がざわつく
    • そばの写真を移してどういうことなのか説明しますという
  • 変体仮名というものを登場させる
    • 「変体」を強調していうと、ウケが良い
    • Hentaiは割りとどこの国の人でも知ってるっぽい感じがした
    • Hentaiのtaiは「態」であって字が違うよって教える
  • 「か」の変体仮名を10種類ほど登場させる
    • みんなをビビらせるといいかもしれない(こんなに覚える必要があるのか、的な不安)
    • 直後に変体仮名の方はもう誰も使ってないのでとりあえず覚えなくていいし日本人も誰も覚えてないって言う
  • ひらがなの歴史について語る
    • 昔は日本には文字がなかったこと(厳密にはあったが面倒なので割愛)
    • 中国から漢字が輸入されたとき、日本語の音を漢字に割り当てたこと
    • しかし、漢字では表せない言葉があった→音だけ借用する万葉仮名を作り出したこと
    • 万葉仮名は漢字で画数多いし書きにくいので書きやすいようにくずし字を使用するようになったこと
  • もう一度「か」の変体仮名のスライドを見せる
    • 字母付きで見せる
    • 漢字は同じ音の物がいっぱいあるからたくさん同じ音のひらがなができたことを語る
    • 明治までは普通に使われていたけど近代化のときに使われなくなって、現在の「か」だけが残った

道具の扱い方

いきなり書けと言われても困ると思うので道具の準備の仕方などを説明した。

  • 道具を準備
    • 事前に教室の前の方に必要なものは準備しておいた
    • スライドにとっていくべきものと数を明示しておくと良さそう
    • 筆、文鎮、墨汁、下敷き、紙、墨池、
    • 新聞を机に広げる→下敷き置く、墨地を置く、墨汁を注ぐ、筆を墨汁に浸す
    • 墨汁は結構みんな注いでくれないのでケチらずドバっと入れるように促す
    • みんな筆に墨もあんまりつけないのでビビらず根本までつけるように促す
    • つけすぎた墨は墨地の縁で滴らないように適当に落とすように指導
  • 紙を置かせる
    • 紙は手触りを確認させて裏表を確認させる
    • 文鎮を置かせる
  • まっすぐ縦線、横線を引く練習をさせる
    • 実演する
  • 時間があったら払いや跳ねも練習すると良さそう

お手本

事前課題として「好きな日本語の言葉」を挙げてもらってそれを体験のときに書くような漢字にした。 最終的に色紙に書いて各自持ち帰るようなかんじ。

  • 朱墨で書いた
    • 特に外国人だと見たこと無い人多いので珍しがる
  • 筆順も示してあげる(ボールペンで)
    • 特に何も考えずに言葉を選んできて画数がめちゃくちゃ多い人もいる

単語帳

説明するときに便利な言葉を羅列しておく。 たぶんけっこう間違っていると思うが通じればあまり問題ない。

  • character - 文字
  • angular - 角ばった(感じなどカクカクした感じ)
  • curvy - 丸みのある(ひらがなとかの丸い感じ)
  • gradually - 段々と(徐々に太くなる線を指すときに使える)
  • ink - 墨汁
  • hard to wash out from clothing - 洗濯しても落ちにくい
  • spread - にじむ(墨汁付けすぎるとにじみますよ、的な)
  • dunk - (筆を墨汁に)つける
  • drip - ぽたぽた垂れる
  • extra ink - 余分な墨汁
  • be reserved to ~ - ~することに躊躇する
  • fill the pod with ink - インクを墨池に入れる
  • smooth(rough) side - つるつる(ざらざら)な面(紙の裏表の判別)
  • stroke - 線を引く
  • tip of brush - 筆の先っぽ
  • special paper - 色紙

反省点

  • 安すぎる紙だった
    • smartvalueの1000枚で900円くらいのやつだった
      • smartvalueって本当になんでもあってすごいとは思った
    • ツルツルすぎて筆が滑りまくって練習が辛いと思った
    • 一応裏面を使えばざらつきがあって表面より書きやすいけどいきなり裏技的な感じで説明が面倒なのでそのまま表面でやった
    • せめて表面にもある程度ざらつきがある程度あればなんでもいいと思う